S31/02/20 衆議院 法務委員会







かなりの大改正なので、関係ありそうなところだけ抜粋。


バッサリ切りました。




小木専門員 改正の要点をかいつまんで申し上げますと、要するに、一つには司法書士の資質の向上、つまり利用する国民の側からの信頼度を高めていこうということ、それからまた、次には、この司法書士の業務というものが、裁判所、検察庁、法務局といったような官庁に出す書類の作成をかわってやるものでございますから、これらの重要な国家事務が公正に運用されるということに寄与するようにしたい、こういうことでございます。


 趣旨はそういうことでございますが、改正の主眼点になるものは、

1つには、裁判所書記官あるいは事務官等等の経験年数を引き上げていこうという問題、それから、

2つには、現行では法務局長の認可になっているものを、選考による認可ということにしていこう、それから、

3つには、単位の司法書士会及び連合会の設立をいずれも強制設立にしよう、それから、

4つには、会員の実質的な強制加入を考える、そして会の自主的統制によって業務の公正な運営をはかっていこう、こういうことでございます。


 司法書士と調査士の現状を申しますと、司法書士は会員が約8000名、非会員が約4000名、それから、調査士の方もついでに申し上げますと、会員が1000名で、非会員が約9000名、こういうふうになっておるわけであります。


しかも、これらの非会員であるアウトサイダーが国民の利用者側からいろいろな非難を受けてきておる、これは利用者側にとってただ迷惑をかけておるというだけでなくて、これらの司法書士なりあるいは調査士の仕事が、先ほど申しますような国家に重大な公務に関連を持つ仕事であり、誤まれば国家のそういった公務に間違いを起す、こういうような関係もございまして、これはどうしてもこの際そういう弊害を除いていく方法を考えなければならぬ、こういうことでございます。


 それで、原案の方から参りますと、司法書士法の一部を改正する法律からまず申し上げます。


 「第2条第1号中「3年」を「5年」に改める。」というのがございます。これは、先ほど申しましたような趣旨で、経験年数を現在3年とあるのを5年に引き上げる、こういうことでございます。


 それから、「第4条第1項中「長の認可」を「長の選考によってする認可」に改める。」、これは先ほど申しました説明でおわかりのことと思います。



椎名(隆)委員 第4条の第1項中「長の認可」を「長の選考によってする認可」と、選考という字が入ったのでありますが、結局、長の認可と長の選考というのは、どの程度の相違がありますか。これを挿入した経過について一つ説明して下さい。



小木専門員 これは非常に違うと思います。現在では、第21号の場合には大体裁判所事務官等々の在職年限が3年以上になった者は一応認可される。


それから、2号のそれと同等以上の教養、学力ある者――これは実質的には試験でありますが、これらを司法書士として地方法務局あるいは法務局の長が認可をするわけでございますが、先ほど申しましたようなこれらの職にある者の経験年数を上げた理由にも関係いたしますが、出す書類によりましては、わずか3年というくらいではなかなか事務の公正、適正というものが期待できないということが一つございます。


それ以外に、かりにそういう経験年数を持っておりましても、在職中の行状等が相当非難に値するというような者、能力はあるけれども行状がどうも思わしくないというような者も出てくるわけでございますので、そういう者は一応長の選考によってふるい落していこう、こういうことをねらっているわけでございます。