S60/05/28 参議院 法務委員会
寺田 熊雄君
vs
法務省民事局長 枇杷田泰助君
○寺田熊雄君 将来もなかなかそうはならないといいますと、現在では大体法務局の扱う登記に関する件数と司法書士、土地家屋調査士の人員とは、需要と供給がほぼ見合っているというふうに把握しておられるわけですか。その点いかがでしょう。
○政府委員(枇杷田泰助君) これも地域によりまして若干の違いはあろうかと思いますけれども、全体的に申し上げますと、現在の登記需要に対して司法書士、調査士の数は見合っている、あるいは少しまだ司法書士、調査士の方に余力があるといいましょうか、そういう状況だろうと思います。
○寺田熊雄君 土地家屋調査士法も大体同じ条文になっておるようでありますが、司法書士法の3条1号によりますと、司法書士の資格の取得は試験による者と、それから法務局その他のOBですか、そういう者で法務大臣が認定した者、この二つの資格取得の手続があるようでありますが、1号による試験による合格者、それから2号による認定資格取得者、これは一体どのぐらいの数になっておりますか。
これは46年に改正されておりますので、その改正の前も含めて説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(枇杷田泰助君) 司法書士法が改正されまして国家試験制度が導入をされましたのが53年でございますが、それ以降の状況で申しますと、試験合格者が大体370名から80名でございます。
一方、2号の方、私どもは特認と言っておりますけれども、その2号の資格認定者が200人から230、240名という数字になっております。大体の比率が6対4ぐらいになろうかと思います。
その国家試験制度が入ります前は、これは全部認可によってなされておるものでございまして、厳密的には国家試験という問題にはなりませんけれども、官にあった者とそうでない者との比率も、大体官にあった者が3割近くで、当時試験という形で来た方が7割というふうな数字になっておったと思います。
○寺田熊雄君 第3条の2号による者については、試験を受けて資格を取得した者からかなり批判なり抵抗があるように私どもとしては把握しておるんですが、しかし、それは法務当局の強腕によるのか、一応無事におさまって、そういう比率になっておるわけであります。
これは法務局のOBが大部分なんでしょう。
私どもが知っている裁判所の諸君であるとか、あるいは検察庁の事務局長であるとか、そういう諸君が資格を取得しようとしてもなかなかどうも資格を取得できないようでありますが、大部分はやっぱり法務局のOBなんでしょうね。
それが大体希望すれば通っておるのが大部分なんでしょうか。
○政府委員(枇杷田泰助君) この3条2号の規定によりまして資格を取得する者の大ざっぱに申しまして80%ぐらいは法務局の出身者だということが言えようと思います。
それ以外が裁判所、検察庁その他ということになろうかと思いますが、法務局の場合でも希望者が全部資格が認められるわけではございませんで、かなりの内部的な基準と申しましょうか、考え方を持ちまして、少なくとも20年以上は登記事務を中心とした仕事についていなければいけないとか、相当な年齢に達していなければならないとかという一般的なもののほかに、力量的にも十分だという認定をする、そのために内部的に試験をいたしまして、その受かった者にこの資格を付与するというやり方をとっております。
裁判所、検察庁等から希望の方も、これは司法書士の業務は御承知のとおり大半は登記の事件でございますので、登記の関係についてはふなれな方が多いわけでございます。
そういう意味で、ちょっとすぐに開業して司法書士をやるとしても自信がないということで、法務局に比べますと希望者自体が少のうございます。
そして、その資格の認定の申し出がありました場合に、登記の関係についてかなりの内容の試験をいたしております。登記ばかりじゃございませんけれども、登記を中心とした試験をいたしております。
それがやはり裁判所、検察庁の方にとってみれば若干苦手だというふうなことがありまして、法務局のOBに比べればこの資格が認められる人の割合が少ないという結果になっておる次第でございます。